クシノテラス

会期:2016年10月15日(土)~ 1月29日(日) 13:00 ~ 18:00
開館:土曜・日曜・祝日
※11/3、11/13、11/20、12/31〜1/2、1/14、1/28 は休館いたします。
急遽休館する場合もありますの で詳細はお問い合わせください。
観覧 : 一般 500 円(小学生以下・障がいのある方は無料)
助成:公益財団法人福武財団
お問い合わせ:TEL 090-2094-2652

遅咲きレボリューション!

 僕らは、いつも年齢に追われている。「結婚は30歳までに」「転職は35歳までに」といった年齢相応の同調圧力が日本社会には蔓延し、書店にはそうした類の自己啓発本が並ぶ。一方で、思い通りの人生を歩むことが出来ていない多くの人はそうした風潮に対して劣等感を持ち、それが個々の生きづらさや閉塞感を生みだしている。

 確かに、ひとは加齢とともに体力が衰え、それに伴い行動範囲も制限されてしまう。しかし、その分、知識や経験が積み重なり人間性は増していく。過ぎ去った時間ばかりに気をとられるより、これからの人生の過ごし方に想いを馳せたほうが、はるかに健康的だ。「いまさら出来ない」と年齢を気にしすぎることは、自分の可能性を狭めていることに他ならない。

 本展で紹介するのは4名の《遅咲き》の表現者たちだ。同調圧力をものともせず、50歳を超えてからも未だ挑戦し続けるその姿勢こそ、年齢を理由に目標や夢に向かって一歩踏み出せないでいる僕らの背中を後押ししてくれるに違いない。人生に遅すぎることはないのだから。

  • にしもと きみこ

    西本 喜美子

    1928年生まれ、熊本県在住。

    7歳でブラジルから帰国。22歳の頃に美容室を閉じて転職を決意し、女子競輪選手としてデビューを果たす。引退後は27歳で結婚し3人の子どもを育て上げる。72歳のとき、アートディレクターの長男・和民が主催する写真講座「遊美塾」で初めてカメラを触り写真を撮り始める。74歳のときには、新しく始まったMACの講座も受講し、PhotoshopやIllustratorも使いこなし、ホームページも自作するまでに上達。「遊美塾」での授業の課題として撮影したセルフポートレート写真が大きな話題を集め、テレビ出演や作品集出版にまで至る。

  • まきえまき

    マキエマキ

    1966年生まれ。埼玉県在住。

    93年よりフリーの商業写真家として活躍する一方で、昨年秋に「愛とエロス」をテーマにしたグループ展に出展したことがきっかけで、自撮り写真の魅力に目覚める。以後、夫の協力を得ながら、セーラー服に始まり、ホタテビキニから女体盛りまで様々なロケ地やシチュエーションを模索しながら、「人妻熟女自撮り写真家」として発表を続けている。

  • いとい かんじ(だだかん)

    糸井 貫二(ダダカン)

    1920年生まれ。通称・ダダカン。孤高の前衛芸術家。

    太平洋戦争を経て、第1回国民体育大会に鉄棒の選手として活躍を果たす。30歳を超えてからアーティスト・ダダカンとしてデビューし、自らの肉体を駆使して全裸で疾走する「ハプナー」して、東京オリンピックや大阪万博などさまざまな場所でハプニングを披露。1980年代からは仙台の自宅「鬼放舎」にて、雑誌をペニス形に切り抜いて手紙と共に送るメールアートや訪問者への密やかな裸儀を続けている。

  • ちょう めぐむ

    長 恵

    1942年生まれ。

    広島県内の福祉施設にて、障がいのある人たちの表現活動の支援に携わる。2007年に退職してからは、自宅にて絵を描き始める。クリスチャンとして、自分の生い立ちを描いた詩画や、独特な体型をした天使の絵画などを制作。