発達障害とこだわり

●こだわりとは?

「シェフのこだわり料理」など、一般的に「こだわり」という言葉は良い意味として使われるようになっています。

しかし、趣味や頑固さなどと言うような一般的な意味での「こだわり」と、

発達障害のある人たちの「こだわり」は違います。

発達障害のある人たちの「こだわり」とは、趣味的な要素ではなく、思考や視点の切り替えができないことを指しています。

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●自閉症スペクトラムと同一性保持

発達障害の中で、特に自閉症スペクトラムの人たちにとって、

こだわりの中心になっているのは、「同一性保持」という儀式的行為です。

ある特定の物や状況に対して異常な固執を示し,その状態を一定に保とうとします。

例えば、同じ道を通る、同じ服を着る、物の配置を同じ向きに揃えるなど、さまざまなこだわりがあります。

そうした行為をやり続けることで、自閉症スペクトラムの人たちの多くは、安心感を得ています。

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●こだわりの原因

自閉症スペクトラムの人たちがこだわっている対象の多くは、物です。

当然のことながら、物は余程のことがない限り、勝手に動き出すことはなく、常に不動な存在です。

それに比べて、人は勝手に動き出し、いつどこに行くか予測ができません。

ときには急に大声を張り上げたり突飛な行動をとったりもします。

そのため、自閉症スペクトラムの人にとっては行動が予想しにくく、大きな不安を感じさせる要因になっています。

だから自閉症スペクトラムの人たちは、刺激として安定性の高い、物を指標として自分の世界を構築しています。

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例えば、体を洗う順番や歯を磨く順番など、日常のなかで、誰だってこだわりを持っています。

ただ、僕らは誰かに言われれば、それを制止することができるのに比べて、

自閉症スペクトラムの人たちは、どんなことがあろうとも自らの「こだわり」を遂行し続けようとします。

変化していく不安に満ちた世界の中で、慣れている行為をやり続けることは、変化に対する抵抗と言えるでしょう。

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自閉症スペクトラムの人たちは、新しい場面で一遍に多量の刺激を取り入れてしまう傾向にあります。

そのため、すぐに感覚の枠をいっぱいにしてしまい、後続の刺激を取り込むことができなくなってしまうのです。

他の感覚が抑制されることで、結果として、

自閉症スペクトラムの人たちには、コミュニケーションの障害という大きな問題が付随してくるわけです。